正直いつが医療安全元年かというと、まだ元年にはなっていないと思います。その理由は、圧倒的に医療安全についての実務家が足りていないからです。
医療安全の実現に必要不可欠なもの
医療安全の実現に必要不可欠なものは、
- 医療機関が法律的なものの考え方を知ろうというモチベーションを持つこと
→患者さんの為の医療機関という大前提に立っている医療機関経営者であれば、モチベーションは高い。逆にそうでない経営者だとモチベーションが低い
→スタッフの意識が高く、セミナーや講演には来場するが医療安全を後回しにしている医療機関は少なくない。結局経営者が医療安全に取り組む姿勢がなければ医療安全体制はできない。
- 医療関係者だけでは医療安全はできない。
最後は裁判官がどのように考えるのかという点から逆算していかなければならない。したがって、弁護士の関与が必要。
→ただし、医療訴訟専門弁護士という弁護士の多くは医療について理解していないことが多い。
→たとえば、医療事故が生じた際に、現場である医療機関に急行せずに担当者を事務所に呼びレポートを書かせる弁護士は最低。医療機関は平時の診療も行っているのであるのが通常であるので、まずは弁護士が出向いて、現場スタッフの負担を軽くしてあげる必要がある
→弁護士が医療現場に行きたがらない→直接いろいろ聞かれて即答できないので、弁護士も行きたくないというのが本音であるよう→私が弁護士を志した動機にも影響。
- 答えを求めないこと
正直医療安全の道は一日にしてならずです。
そもそも、顧問弁護士として私が接していても、まず、「これは弁護士に聞いた方がよいのではないか」という「気づき」がなかなか難しいところもあるようです。
これは、「理解」していないとなかなか「質問」ができないという学習過程の問題だと思います。
そこで、私は、まずは基本的な講座をご訪問したうえでお話しさせていただき、事例演習を定期的にさせていただいております。このことによって、このような点は弁護士に聞いた方がよいのか、という「理解」を各現場スタッフが高めることができるのです。すなわち、答えはないということを知ってもらうことにほかなりません。
さらに、銀座事務所では、さらに各種セミナーを企画しています。ご興味がある先生方はぜひいらっしゃってください。詳細は遠慮なくお尋ねください。
これらの要素を満たす医療機関が増えてくることによって、真の医療安全に対する高まりが生じてきた年こそ、医療安全元年なのではないかと思います。
そのために私にできることは、顧問をさせていただいている医療機関は先駆者として医療安全の道をひた走っていただき、医療訴訟と無縁のブランド化した医療機関にすることと、医療安全に必要不可欠な弁護士に教育をして、医療安全の取り組ませることにつきます。
医療安全体制ができている医療機関こそ、真のブランド医療機関です。逆にそうでない医療機関は淘汰されていくことでしょう。医療において安心・安全以上のサービスはありません。このことは患者さんの為になるのみならず、医療関係者・医療機関経営者のためにもなります。是非、安心・安全な医療機関としてブランディングしていきましょう!!
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