Posted on 2017年10月16日 at 2:02 PM by adminas / 医療法務 クレーム対応は,医療機関にとって非常に大変な問題です。なぜなら、応対者においてそれが理由なきクレームであるか否かを判断することが難しいからです。そして,この判断を行うシステムが整っておらず,対応が遅れれば遅れるほどクレームは激化していき,鎮静化することが困難となっていきます。 あえて申し上げれば,何かあったら弁護士に言えば大丈夫という感覚は捨ててください。医療関係者が理解せずに弁護士に丸投げしても、弁護士はすぐには駆け付けられませんし、駆け付けられても実力行使はできません。 クレーム電話対応の秘訣 例えば、電話によるクレームの場合、クレーマーは、自分の都合のよい時間に、医療機関側の事情も考えず、自分の言い分を押し付けることで、自らの要求を承認させようとします。 このようなクレームについて,電話できちんと対応するということは望ましいでしょうか。 日々の診療業務において電話対応すべき場合というのは,患者さんへの道案内や、予約に関すること,薬の照会くらいのことです。 このような患者さんの診療にとって必要な連絡以外は、わざわざ診療時間中に医療機関が対応する必然性はないということになります。 また,電話では,対話者が当該患者であることの確認は不可能であるため,診療業務を中断してカルテを確認し,その情報を基にやり取りするなどということはありえません。 よって、電話にによるクレームについては、基本的に後で折り返すことが正解ということになります。 クレーム対応マニュアルの限界 もっとも,このようなことをマニュアルとしてスタッフに周知したとしても、実際に問題のない対応をすることは困難でしょう。 マニュアルを機能させるためには,平時から関与する弁護士とクレームに関する情報を共有してマニュアルをアップデートしたり,弁護士が経験したクレーム事例を基に今後の対応方法を具体的にイメージしたりということが必要となります。 その他、直接クレーマーが来院した場合、書面で照会を求められた場合、その他医療機関を経営していると様々なケースに遭遇します。大きなトラブルを防ぐために知っておかなければならないこと、理解しておかなければならないことはたくさんあります。 是非、弁護士と双方向で理解を深めながらサービスの質を上げていきましょう。 was last modified: 2月 15th, 2021