医療とITに関して
1.医療安全視点がそのまま医療IT導入の注意点に当てはまる
- 医療もITも何か事故が起きてからでは取返しが付かない
- 医療もITも患者さんの治療等の役に立つ目的がある
- 医療もITも交通事故と異なり事前にある程度事故を予想できる
- 医療安全=医療訴訟予防=医療機関のブランディングなので、ITも結局ブランド化につながる。しかし、ITが入っているからと言って病院を選択するモチベーションにはつながらない。大事なのは、患者さんが安心・安全な医療を受けるためのITという趣旨を必ず含んでいるという視点が大切☞無意味・有害なITを開発しているケースの事例を紹介。
2. IT=デジタル化ということの医療に持たらす意味
- 手術をするロボット
- 遠隔操作する機械
これらについて、もし機械が誤作動したらどうなるでしょうか。
※アナログ的な視点がなくなったらどうでしょうか。
- 電子カルテ
- 情報伝達ツール
これらについてプライバシーが流出したらどうなるでしょうか。
もちろん、無個性化したデータをビッグデータとして、医療の分野に必要な機器の開発に資するという視点は大事。
しかし、合理化が行き過ぎると少数の患者さんが被害を受けてしまうことにつながる。
※アナログを併用したらどうでしょうか。
3.IT化の波が医療に押し寄せてくることによる弊害
- 上記のように、デジタルが行き過ぎると、いざという時に何もできなくなる。これをカバーするためのITを開発するという視点もあるが、実際それよりもアナログを見直すという視点が大事。
- 法律的にみれば、アナログ的な対応ができていれば、責任追及される可能性がかなり下がる☞医療安全。
- ITによるセーフティ装置を進めていっても、どこまで行ってもそれを操作する者の責任という視点があり、機械という介在事情について危険性を無視できない。
ただし、ITとアナログを併用する事によって、1+1=∞となる可能性を秘めている。
4.医療ITは通常とITとは違う視点が必要ということ
医療はビジネスとは相いれない暗黙の了解がある。
- もちろん、どの分野でも、ITとアナログの両視点が大事
- たとえば、ITで誤操作した場合など、電話対応の方が安心
予約間違いした場合にコールセンターとか
- 買い物であれば、金銭で済むので、誤ったら電話して返金・交換等で足りる。
- しかし、医療の場合は、人の命がすぐそこにある☞間違えたら取返しが付かない
※間違えてよいものかどうかの判断は素人には困難
※医療と法律を両方わかっていないと危険なところに一人で歩いていってしまう事が少なくない。
- 医療ITというのはITの中でも特殊分野という意識が必要。
5.アナログとでデジタルの融合の時代が来る
医療ITはアナログとの融合を進めることをしなければ医療界では無用となってきてしまう。
- 現在、多分にIT化が進み、電子カルテではない病院が少なくなってしまっています。
- これによる弊害は多々あります。診療科によっては紙カルテの方が良い場合も少なくないのです。
- また、医療では、IT化できないものについてのみやむなくアナログという消極的アナログという傾向があります。これは、参入してくるビジネスの会社が、合理化してビジネスにしやすいところに合わせている事が原因でしょう。
- これを否定するつもりはありません。しかし、むしろ、アナログの良いところを積極的に残しつつ、そうでないところをIT化・自動化するという積極的アナログを推奨します。
- これによって飛躍的に医療にITが浸透してくるのではないかと思いますし、医療安全的な視点からも、この方法はリスクを最小にする唯一の方法と断言できます。
以上
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