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医療法務

弊所の顧問先との接し方

(弊所書籍の弁護士のための医療法務入門より一部抜粋)

弁護士を顧問に、という話が合っても、実際に周りに話を聞くと、とりあえず〇〇さんも顧問弁護士を付けているから、うちも・・・見たいなケースが非常に多いです。しかし、顧問弁護士という中にも各事務所によって方針が様々あります。そこで、弊所の顧問業務の内容について、少しだけ触れたいと思っております(もちろん、例外は多々あります)。

定期的にコミュニケーションをとる

顧問業務を行うにあたって、弊所が大切にしていることは、何かしらの形で顧問先と定期的な交流を持つことです。また、弁護士は、顧問先を訪問した際には、現場を見せてもらい、わからないことはしっかり教えてもらうことが大切と考えております。

すなわち、三現主義がとても大切と考えます。

これは、現場を見て、現在の様子、つまり、現実を知らなければ、どんなに法律に詳しくてもよい顧問サービスを提供することはできないというものです。法律事務所でただ待っているだけではダメだと思っております。

質問に対する回答を後回しにしない

何か質問をされた場合に、質問に対してある程度は即答するよう努力します。もちろん、即答するわけですから、100点の回答はできませんし、ある程度漠然とした回答になることでしょう。

しかし、全ての質問について弁護士が100点を目指した回答をすることを顧問先はいつも望んでいるわけではないと考えております。60点でもいいから塩梅を聞きたいとか、同様の事例ではどうだったかを聞きたいだけの場合もあります。

常に顧問先に接していれば、特定の分野であれば、ある程度質問はかぶってきます。これを専門性という言い方をすれば、弁護士の専門ということになるのではないかと思います。

弊所では、医療機関や、医療に関連するサービスを提供している企業からの質問は豊富なので、医療機関や医療関連業種についての質問には、ある程度のことは即答できます。もっとも、0や100はありませんから、「可能性」「危険性」等の指摘をする際には、0に近い理由、100に近い理由をできる限り回答するようにしています。

顧問先に書面でのやり取りを強要しない

顧問弁護士として、質問をされた場合にやってはいけないこととしては、質問を書面でまとめてください、という回答をすることです。特に、医師や医療関係者は書面を作ることに慣れていませんので、それならいいや、となってしまうことになります。

弁護士が質問を書面でまとめることを依頼することによって、弁護士に相談する敷居が非常に高くなってしまうのは本末転倒もよいところです。

できる限り口頭で、電話や直接訪問、最近ではzoom等を使って、リアルに回答することを弁護士が実践することによって、善い顧問業務ができるものと考えております。

なお、弊所は、土日や祝日、早朝や夜間も含めて、顧問先の都合にできる限り合わせておりますので、平日のデイタイムでしか時間が取れませんということにはなりません。このあたりは相談しやすい環境の維持に努めております。

アソシエイトに丸投げしない

全ての顧問先について、アソシエイト任せには致しません。直接契約する際に、説明したパートナーが対応します。もちろん、助手等は頼むとしても、基本的には、パートナー弁護士が、常に状況を把握する努力をします。これは、訴訟についても同様です。

弁護士にとって顧問業務をよりよく行うために最も大切なことは、その事業会社や医療機関のことを把握しておくことです。何か質問されたときにファイルを出さなければ何らの対応できないのであれば、もはやキャパオーバーでしょう。

パートナー弁護士は、自らが指名されている自覚を持ち、キャパオーバーにならないように仕事を受け過ぎないように受任数をコントロールする必要があります。

顧問先最優先を徹底すること

弊所では、医療機関や医療系企業、事業会社の顧問業務を行うにあたって、原則として顧問先からの依頼やご紹介のみを受ける方針としています。医療機関の顧問先は、個別指導がいつ来るかわかりませんし、弁護士の都合で個別指導の日時を変更することは通常できません。また、医療事故が生じて医療現場に急行しなければならない自体になるとも限りません。

医療系企業や事業会社もいきなり作業が発生し、対応に追われることも頻繁にあります。さらに、普段あまり相談をしてこない顧問先から突然相談が入ることもありますが、その場合には特に丁寧かつ迅速に対応することが必要不可欠です。

 このような対応をするためには、顧問先ないし顧問先のご紹介(お身内のことなど)以外の事件は受任しない方針が取れた方がよいでしょう。法律事務所の経営上、すぐに顧問先のみにできない弁護士の場合でも、そのような方向を目指すほうが、よりよいサービスができるはずです。常に顧問先に向き合い、顧問先で事故や事件が生じているか否かだけでなく、事業の方向がどうなっているか、医療機関や医療系企業経営者がどのような考えを持っているのかについても常に知る努力を弁護士側はすべきでしょう。

顧問契約時に注意すべきこと

顧問契約がスタートした以上は、終身顧問弁護士として、その医療機関や医療系企業、事業会社の発展のために全力を尽くすことになります。もっとも、よくわからずに顧問契約を打診してくる事業会社等もあります。ご紹介の場合、断りにくい場合もありますが、弊所としては、顧問契約はいったん契約をしたら、長く続くものであり、長く続かないのであれば、そもそも受けるべきではないと考えています。

顧問弁護士とは顧問先としっかりとコミュケーションを取り、当該医療機関や医療系企業、事業会社について弁護士も知る努力をし、そのために大切な時間を割くという性質のものです。そのため、顧問契約に際して、長期のお付き合いにならないのであれば、弁護士も全力を尽くせません。したがって、このようなことは顧問契約締結時に確認しておくことが望ましいです。

医療機関や医療系企業、事業会社で、顧問弁護士の必要性がなくなるはずはありません。そのことを依頼者が理解していないのであれば、顧問契約の内容を理解するまでは顧問契約は控え、弊所では「顧問弁護士の必要性を理解したら、顧問契約しましょう」、と回答することにしています。

12/04
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