誰でも最後には亡くなります。そして、配偶者や子どもがいれば、亡くなった方の遺産は原則、すべて遺された方が相続することになります。
誰でもいつかは訪れる死への準備を「終活」と最近はいいますが、きちんと「遺言書」を書いておかないと遺された家族が苦しむことになります。
生命保険については、結構な確率で皆かけています。それは、生きている以上、何かあることを前提としています。これは、何かあった際に医療費等を家族にかけないために「備え」をすることに意味があると感じ、また、養老保険等は満期には一定の金銭がもらえるから入るようです。
遺言書は、費用をかけても何か得られるものではない
他方、遺言書は、費用をかけても何か得られるものではないし、自分が亡くなることを前提とした行為であるために抵抗があるのではないかと思います。
実際に、子どもが1人である、ないし、財産があまりない場合は、それでもよいと思います。
しかし、子どもが2人以上いる場合であり、かつ、相続税を支払う必要がある位、財産がある場合には、そうはいきません。それぞれに配偶者がいれば、2人兄弟は当事者が4人、3人兄弟は6人になります。また、それぞれ家庭を持っていると、兄弟間の感情よりも金銭の方を優先する意向が高くなるようです。もちろん、自分の子どもは大丈夫、うちの子供は仲が良いから大丈夫という見方はあります。
しかし、これはほとんどハズレます。残念ながら、もめている資産家の方々に日々接している弁護士の立場からすれば、兄弟の数が増えれば増えるほど、資産が多くなればなるほど、遺言書を書いた方がよいと思います。
遺言書を書く目安は60歳くらいだと思います。認知症になるかもしれない、病気になるかもしれない、いろいろなことが生じる可能性が圧倒的に高まるのが60歳過ぎです。
遺言書を書いている方は、長生き?
ここからは、弁護士としての経験ですが、きちんと遺言書を書いている方は、長生きだなという印象です。早くに亡くなる方はほとんど遺言書を書いていませんし、もめます。これは、普段からあらゆることに対しての「備え」をすることによって、心に安心感が生まれる野でしょう。いつその時がきても大丈夫な「備え」をしていることによって、結果的には長生きになるのではないかと思います。
もう一つ、弁護士が事前に遺言状を作成するためには、約十億もある場合でも数百万程度です。他方、亡くなった後にもめた場合には、相続人が弁護士費用を負担したり訴訟費用を負担することになります。また、遺言書を作成される方は、相続税が少なくできるように可能な手段を税理士等の相談して進めることが多く節税も行えることが多いです。
ご家族が揉めないためにも資産を維持するためにも専門家に早めに相談をし可能な対策を早めに取っておくことが肝要です。